SoUnD~僕らの世界~
『学校ってケータイは使っても大丈夫なの?』
あぁ、そこ気になっちゃいましたか。
もちろん、それに対する返事は『だめだけど』ってことになる。
それを送って数分後『ごめんね、先生にばれなかった?』と、未那から謝られた。
それからしばらくは、未那からの『ごめんね』メールが続いた。
そんなこと気にしなくてもいいのに、と何度も思って、何度も『大丈夫』って送ったのにな。
未那が、相当な心配性ってことがよくわかった。
『未那、何があったかは詳しく聞かねぇけど、何かあったらいつでも今日みたいにメールしてくれたらいいからな。絶対返信するから』
そのメールを送信して、俺は風呂に入った。
その間も未那からの返事がきたかもしれないと、ソワソワしていた。
風呂から出ると、一輝が「なんか今日は楽しそうだな」とおちょくってきた。
そんな一輝に飛びつき、とりあえず羽交い絞め。
「いててててっ、ばか兄貴!」
「お前も、ちっとは黙っとけ!」
「んだよっ、未那さんと何かあったんだろっ!」
「一輝に関係ねぇっての」
クタァッとなってしまった一輝をよそに、俺は急いで部屋に向かう。
ケータイのメールがきていることを知らせるライトが、ピカピカしているのを見て、急いでそれを見た。
『ありがとう。そう言ってくれる人がいないから、すごく嬉しい。雅だから何でも言えそうな気がする(笑)なんでかな。じゃぁ、今日はもう寝るね。おやすみ、また明日』
「俺だから・・・」
その部分を何度も繰り返し読んだ。
そこで期待してしまう自分を抑えることで、精いっぱいになった。
未那は何も思ってない。
そう、俺のことは、そうやって『なんでも気楽に話せる、ただの友達』くらいにしか思ってない。
きっと、そうなんだ。
でも、そういう意味で、俺は未那にとって『特別』なんだって、自惚れてもいいんだろうか―――