SoUnD~僕らの世界~



次の日、あのバスに乗る。


でも、未那の姿はなかった。



今日も何かあったんだ。




次の日、やっぱり未那はいなかった。



その次の日、そのまた次の日、と日にちがどんどん過ぎて行く。




それでもやっぱり、未那は一向にあの時間のバスに乗ってこなかった。


俺自身の精神が徐々に崩れていっているのが分かった。



でも、またバンドのメンバーに迷惑をかけてもいけねぇし、俺の学習面もこのまままた下げ続けてもヤバい。


そこはもう気力でいくしかなかった。



そんな日々の中で、いつも俺自身に言い聞かせることは同じ。


『きっと、明日は未那に会える』


でも結局会えなくて、肩を落とす。



もしかしたら未那は、俺を避けてるのかもしれないとも考えた。



でも、俺はそんな避けられるようなことをした覚えがない。


なら原因は俺であるっていう可能性は低い。



だからこそ、俺は自分の心の中で何度も『明日は』『明日は』と言い聞かせていた。



その『明日』が来るのをずっと待つことに決めたんだ。



きっとこうやって想っていれば、絶対いつかは未那に逢える―――。


期待と、不安を胸に、俺は何とか毎日を過ごしていった。





そして、それは現実となった。


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