君への小さな想いを掲げて *my first love*
「そろそろ、つくから…。っあ…。腹も蹴られたんだよな?」

「え?うん」

「痛い?」

「まぁ…」

さっきからあんまり気にしていなかったけれど、よくよく考えると痛くなってきた。

頬にふれると、ちょっとした痛みが走ってすぐに手を引っ込める。
…痣、できちゃってるんだろうな。

「ん」

「え?」

そんなことを考えていると、目の前にいる戸部山くんがひょいとしゃがんだ。
突然のことで何が起こったかわからずただ目を丸くする。

「おぶるから」

「…や、いいって!重いし…」

「それ、俺が小さいから気、使ってんの?」

「そういうわけじゃないくて、本当に重いから…」

「これでも力ある方だから、重くても平気。」

そういって小さく呟いた戸部山くんの言葉に体が固まる。
…何気にショックかもしれない。

確かに重いっていったのは私だけど。

「全然!軽い!軽い!」っていう答えを胸の奥底で少し期待していた私。
現実はやっぱりそう甘くはないみたいだ。

「早く」

「…うん」







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