俺と初めての恋愛をしよう
「だから、いい方向に転ぶように報告しあいましょ? もっと時間を掛けた方がいいと思っていたんだけど、林さんの切羽詰まった様子を見ていると荒療治もいいかもしれないわ。特に発作は気を付けて。常にビニール袋を持ち歩いてね。あと、いくら待ちわびた人だからと言って強引すぎる。林さんは全く経験のないことをいきなりされているんだから」
「わかった。気を付ける」
「まずは、昼間は避けて夜からね、林さんは自分が醜いって言ってるし、人目が嫌だとも言っていたから夜の方が顔も闇で暗くなって分かりづらいだろうし。ただ、後藤君のその容姿がねえ……かなり問題かも」

頬杖を付き、後藤の顔をじっと見る。

「なんでだ?」
「自分のことが嫌いなのにあなたみたいな容姿端麗な人が傍にいたら女性として嫌に決まっているでしょ?」
「そんなこと関係ない。あいつは俺からみたら愛嬌があるし、どう見たって美人の分類だ。植草から見ても美人だと思わないか? それに慈愛に満ちた顔をしている、卑下する必要がどこにある」
「恥ずかしい台詞を堂々と言える後藤君は凄いわね。女目線から見ても、彼女は、美人よ。卑下する必要なんかない程にね……まあ、そう思っているなら、優しく褒めてあげて。抑えていた感情があるから早急に自分のものにしたいだろうけど急がないでよ?」
「わかってる」
「おすすめメニュー出来たぞ、いっぱい食え」

< 30 / 190 >

この作品をシェア

pagetop