●confidence○

初夏

――――・・・

中2の夏、
うちにも彼氏というものができた。


「菜津はいーな!!祭り一緒に行ける相手おって」

そう言ってえりなはうちのうちわを
うばいとった。

「は?まだだれとも約束してへんで?」

うちはうちわをうばいかえしながら言った。

「なにゆうてんの!!拓くんがおるやろ」

「・・・なんで拓なんよ」
「約束もなにも彼氏やろ!!」



「えっ、菜津って彼氏おったん!?!?」


突然背後から
あほみたいな声が聞こえてきた。

「滝!!」

ふりかえると、クラスメイトの滝がにやにやしながら立っていた。

「菜津に彼氏とかまじありえんわあー!!」

「は!?当然やわ、当然!!」

「いやいや、菜津なんか好きなる物好きそうおらんでな」

「だまれし!自分は女とっかえひっかえのくせに」

「関係ないやんけ!!笑」

そう言って滝は
笑いながら仲間のもとに走って行った


「菜津、のは言い過ぎやろー」

「大丈夫やて!そんなん気にするような繊細なやつちゃうし!笑」

「けど裏で傷付いてるかもやで??滝くんなんかミステリアスやし」

「ミステリアスて!まじありえん!!」

大真面目に言うえりなを放置し、うちは
爆笑した。
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