シンデレラに玻璃の星冠をⅢ

同調

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紫茉ちゃんの兄、周涅があたし達に見せたものは、『九星の陣』と呼ばれる術の一端。

あたしには術というものを感じ取る力はないけれど、今までの景色を上書きするように、櫂や煌、小猿くん達の奮闘する景色が見え始めてくれば、それが普通ではないことはわかった。

まるでそれは、小型カメラかなどで斜め上の角度から映し出された、各人のスポット映像を、一つの画面で分割して見ている感じで、彼らは同じ世界にいながら別々のところにいるらしい。


そこには、あたしの知らない人や動物がいた。

櫂、煌、小猿くんの他、爆乳の女忍者、3体のへのへのもへじ人形、金ピカ鎧、そして煌の頭にへばるリス。

なんともおかしな組み合わせ。

彼らはそれぞれの石碑を護るように、スクリーンと戦っていた。


映像の中で、まるでそこだけクローズアップされたように大きく映し出されたのは、もぞもぞと動くふさふさ尻尾。


それは、煌の掌の中にいる――、


「可愛い小リス…」


つぶらな瞳はまどろむように焦点があっておらず、苦しそうに体を丸めて痛々しい。

一生懸命起き上がろうとして、倒れ込んでいる。


煌がチビと呼んで慌てているのは、リスの異常事態なんだろう。


この状況では不謹慎にも、心にあの陽気な旋律が蘇ったのは、応援を兼ねて。


そう、リスに捧げる応援歌。


♪りすりす小リス……。


するとそれが通じたか、リスと目が合ったような気がした。

それは僅か一瞬。


なんだったんだろうと無意識に玲くんを見てしまったあたしは、同じようにしている由香ちゃんと目が合った。


気があうなと思っていたら、桜ちゃんや紫茉ちゃんまでちらちら玲くんを見ていた。

さらにはハゲネコ様も、瑠璃色の瞳でじっと玲くんを見ている。


チームワークはばっちりだ。


仲間全員の視線を受けた玲くんは、強張った顔のまま、やはりリスを凝視していた。

玲くんもなにか感じ入るところがあるのだろうか。


その他、煌の偃月刀を持ったへのへのもへじに目がいった。

次第に力を無くして、肩で息をついているような不思議な人形。

なんであんな顔なのかはわからないが、なんだろう、この共鳴。


そして、リスから煌に映像が切り替わり、目に鮮やかな橙色があたしの視線を奪う。


「煌……」


煌を見たら、なんだか気が抜けて泣きたい心地になった。

変わらないあの橙色。

少し離れていただけなのに、そのワンコ具合が愛おしく感じるのは、思った以上にあたしは、煌の存在に依存していた部分があったのだろう。


元気なワンコでよかった。


そして、漆黒色の幼馴染みの顔も大きく映る。
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