シンデレラに玻璃の星冠をⅢ

再会



**************



「由香ちゃあああん!!!」

「神崎ぃぃぃぃぃ!!!」



「「うあああああん!!!!」」


あたしと由香ちゃんは、しっかりと抱き合いながら、感動の再会に泣いた。



――師匠、神崎!!! ただいまッッ!!!



突然、由香ちゃんは現われた。

唐草模様の風呂敷包みを背負いながら。

その後ろには、桜ちゃんが水差しとコップをトレイに乗せて立っていた。


「由香ちゃん、よかった!! 由香ちゃん無事だったあ!!! おかえりなさい~ッッ!!!」


うあああんとあたしが泣けば、


「神崎ぃありがとお~!!! 嬉しいよ、ボクのことをそこまで心配してくれていたなんて。その首の痕とツッペみたら、師匠共々、今の今までボクのこと忘れて何イチャついてたんだコラとか、一瞬思っちゃったよ~。ごめんね~」


うおおおおん、と由香ちゃんも泣く。


「由香ちゃんを忘れるわけないじゃない。イチャつくって何~!!? あたしね、病気にかかったの、"愛欠乏症"だって。玲くんに定期的に愛情貰わないと、この慢性病が治らないんだって~。とっても怖いんだ、うああん」


「……。師匠、何だよそれ~ッッ、うおおおん」


げほっ。

その中、玲くんが異質な…咽(む)せた音を奏でる。


「ああ、僕は大丈夫…げほげほっ。あ、ありがとう…桜」


横目で見たら、桜ちゃんは水差しからコップに水を注いで玲くんに渡している。

玲くんは依然げほげほしながらも水を飲んでいるみたいで、大きい身体を小さく丸めて水をコクコクと飲むその様は、小動物みたいで可愛い。


「神崎~。いつも鼻血出す程の愛を貰っていて、それで何で"愛欠乏"状態になるのさ~」


「あのね、初めてのか、かかかかか"彼氏サン"、か、かかかか…ぐすっ」

「神崎ぃ~。真っ赤になって泣きながら変な笑い方するなよ~。師匠も爽やかな顔して随分な欲求不満を溜め込んだ、隠れ超肉食だからね、"愛欠乏"は師匠の方で、師匠の為の栄養補給のような気がするんだけどボク、うおおおおん」


ぶー。

玲くんが、水を噴いた。


「あ、ご、ごめん…桜ッッ!!」


玲くんは焦った顔で、傍のタオルで桜ちゃんの顔を拭っている。



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