【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
甘い香り
ココに来て、もう30分くらい経ったかな。
なんとなく、あのまま会話が途切れて。
お互い何を話すわけでもなく、ココに居る。
「前半の試合もうすぐ終わるかな?」
ずっと、ダルそうなままの椎名冬夜に、そっと問いかけてみる。
綴じていた目を開け、少しだけ首を傾げる。
もう5限目を過ぎた頃。
バスケの試合は5・6限目で行われる予定だから、半分は終わっていると思う。
時間が経っても、椎名冬夜の体調は良くならない。
それどころか、息もさきより荒い気がする。
「ねぇ、いつまでそうしてれば良くなるの?」
「……夜」
「は? 夜!?」
ちょ、夜って。
はぁ!?