【完】愛の血−超勝手な吸血鬼


立ち止まり、ゆっくり振り返る椎名冬夜が不敵に笑ったのを見て気付く。

あたし、何よ、どうしたってーのよ!

かかわらないって決めたのに……。


「何、気になる? 俺の事」

「ぬぁっ! なんないしっ! 気になんてなんないしっ!」


自分でもどうしてこんなに必死に否定するんだろう、

と思ってしまうくらいに必死に答えたあたしは多分真っ赤な顔をしていたと思う。


クスクスと笑った椎名冬夜は、


「俺、集(たか)られるの嫌いなんだよね。それだけ」

「た、集られる?」

「そ。女は自分で落としたいの。言い寄ってくる女になんて興味ねーから」


そう言って、また歩き出してしまった。


な、何じゃアイツはーーー!

モテ男気取りにも程があるんじゃない!?


あたしの1番嫌いなタイプだよっ!
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