【完】愛の血−超勝手な吸血鬼

幽霊が現れた公園



「やばーい!」


泣きそうになりながら、駅から家までを必死に走る。


途中見た携帯の画面には21時38分と間違いなく書いてある。

友達と学校帰りにマックで話し込んでいたら気付けば、21時を過ぎていた。


高校に入学して今まで18時だった門限が少し緩くなり、調子にのって夏休み遊んでいたら、新学期に突然の復習テスト。

勿論、夏休みに勉強なんかしていなかったからボロボロで。

ママに隠していたのに、馬鹿なあたしは制服のポケットに入れたまま洗濯に出しちゃって……。


バレてお説教をたーっぷりされてしまった。


「これ以上、成績が下がるようなら塾ね」


とママが最後に言ったセリフとハンニャみたいな顔が頭に浮かんで、身震いをしながら頭を横に振る。

うちのママは普段優しい分、怒ると半端ないくらい恐い。


だから今は、ママの機嫌を損ないたくないのに!

こんな時間だなんて……。


絶対やーばーいー!
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