【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「仁奈ちゃん、冬夜と仲良くしてやってね」
すげぇ楽しそうに言う母親に諦めを感じたとき、
「……で…ん」
「へ?」
「出来ません!」
クリッとした目で睨んでる……つもりなのか?
俺を真っ直ぐに見つめて
「仲良くなんて出来ません!」
って、へぇ。
いい度胸してんじゃん。
「はぁ? お前、それ。俺に言ってんの?」
大きく頷いたくせに、ビビッてるの丸分かりな有賀仁奈を見て、ニッと口角があげる。
「ふーん。おもしれぇ。
ま、嫌でも仲良くしなきゃなんねーみたいだし、諦めろ」
まぁ、俺も命かかってんし。
相手に文句言えた状況でもないし。
仕方ない、嫌でも俺のモンにしてやるよ。
~冬夜 story1~