【完】愛の血−超勝手な吸血鬼


ドアにもたれていた背中をあげ、あたしの方へ向かって来る。

パンをくわえたまま、目をパチクリさせながら、それを見てるだけのあたし。


カフェオレをヒョイと持ち上げ一口飲んで、


「……あまっ」


と、カップを再び元の位置へと戻した。


「ちょっ、な、何、人のカフェオレ飲んでんのよっ!」


ガタガタと椅子を鳴らしながら立ち上がって叫ぶと


「俺、キーキーうっせぇ女、大っ嫌ぇ」


と呟く。


はぁ!?


何であたしが嫌いとか言われなきゃ駄目なのわけ?

てか、何勝手に家に上がり込んでんのよ。


しかも、これはあたしのカフェオレだー!


怒り奮闘し過ぎて、言葉が出てこない。
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