黒の森と、赤の……。/ ■恋愛シミュレーションゲーム□
◆「司、お前好きな子いるだろ?」


俺からの唐突な質問に司は、


「……え゙!?
い、いないよそんなの!
いるわけないだろ七夜…!」


と、非常にわかりやすい反応で、顔を赤くしながら否定してくれました。

本当にありがとうございました。

これは好きな子がいるんですね俺でもわかります。


『…こいつもわかりやすいな…』と胸の中で思いつつ、にやけを隠せない俺。

そしてそんな反応を見せられてしまっては、俺も小町屋も、黙ってなんかはいられない。


「ちょっ…!!
…好きな子いるんじゃん司くん!
誰、それ誰よ!?(大)
うちのクラスの子!?(興)
ねえっ、言っちゃいなさいよっ!?(奮)」


…食いつきすぎだ小町屋…。


心の中でそうツッコミつつ、俺も、

「いや!!
司が先週の放課後、隣りのクラスのかわいい女の子と楽しそうに話してるの見たぞ!
きっとあの子だ!
あの子に違いない!」

…と早口でまくし立てる。


さらには、さっきまで少し怯えた様子だった裕也までもが、

「つかさくんて…好きな人、いるの…?」

…と、興味深げに司のほうを見上げる。


そんな俺達3人の反応に司は、『もう許して』…とでも言うように、うつむいて顔を真っ赤にしながら、自分の座席に着席してし まった。


…だがしかし!

そんなことくらいで、こんな面白い話題から逃れられるはずないだろ司!
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