続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
ペーター視点


日本から帰ってきて年も明けたというのに、いまだソンミン兄とカスミ姉はぎこちないままだ。

俺のせいも多少はあるのかもしれないので、まずはカスミ姉と話をしようと強引にカラオケに連れ出した。


「この店寒くない?」


「いつものことじゃないですか。
コート着てください。」


台湾の冬はかなり冷える。

日本から帰ってきたあとだと、特にそう感じる。

普通に考えたら南国台湾が日本より寒いわけがない。

外は当然日本より暖かい、問題は建物の中だ。

ここ台湾ではなぜか冬でも、どこにいっても冷房がガンガンにかかっている。

それはもう、鍋を食べていても体の芯から冷えてくるぐらいに。

今日のカラオケ店も例外ではなく、部屋の中でもコート必須だ。
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