ジルとの対話
Chord B
ジルは、ロンドンの街を歩いた。
愛するティティの為にお土産を探していた。
可愛いティティ、彼女は女教師で、彼をサポートしてくれた。
さて、指輪がこの間あげた贈答品なのならば
、イブニングドレスでも見てやらければならないが、彼女は深いコバルトブルーが気に入っていたけれども、あまりコバルトブルーは綺麗に出ていない。
どんな色なら綺麗に出てるだろう?ジョルジュ・サンドの
愛の妖精のファッションのような黄色だろうか。
可愛いティティ、彼女は黒猫みたいにキラキラした瞳で、こちらを物語る様に見つめる。
ロシアンブルーの可愛い猫だ。
彼女は、ジルの飼い猫みたいに彼の家へ居着いて、食事をねだる可愛いティティ、彼の他に決して誰にもなつかない気難しい、飼い猫のティティ、ジルは彼女を誰にも渡さない。

早速、朝の食事をティティとジルはとった。
「市場の魚はどうだい?この時期にはめずらしく上がったらしい魚だよ。」
ジルがティティに言った。
「大好きよ、だけど。ボンゴレにしてくれるって言ったじゃない?」
「ティティ君は猫なんだよ。猫に貝を食べさせる飼い主なんかいないよ!」
ジルが笑いながら言った。
「そうね。だけど、普通の猫とは違うの。貝が食べられるの。」
ティティは幸せそうに肩をすくめた。ジルも
それを見て、幸せそうに微笑んだ。
すると突然ジルは顔つきを変えた。
「この間なんだけど、ステラとデヴィットが別れたんだよ。ステラはフランツに同情したみたいで、フランツはとてもよろこんでたよ。デヴィットは特に気にしてないようだった。あんまりだね。」
ジルはティティに話した。
「そう。」
ティティは神経質そうに魚を口に運んだ。
「そんな事があるなんてわからなかった。」
ジルはそう言って黙りこんだ。
ステラとデヴィットの中には特別な意味があった。
デヴィットはデージーに使われている悪魔なのだが、デージーの逆位置であるリリーの活動を
デヴィットがデージーに伝える役割があった。
ステラはその動きを悉に見る事が出来たのだ。
これからはデージーの動きを謀ることが不自由になる。ジルはとても不安そうな表情をしたが、ティティはまた別の感情を抱いていた。


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