ジルとの対話

アメリカの旅路にて

キースは、寝ずにアメリカへの旅に向かっている。世の中は狭くなった。隣の国まで数時間であり、文明がジルの時代をどれ程過ぎたのかを思いやった。ジルは航海時代の忘れ形見だった。 タロットカードはよく知らなかったが、魔術と言われキースはノスタルジックな気持ちになった。小さい頃、屋根裏部屋で見つけた錬金術の本を読みふけった事があったが、何となくタロットカードを思わせた。
タロット占い師は、屋根裏部屋で占いをしているものだ。
キースはバンドを組んでいる訳だが、メンバーにはアランというベーシストがいた。
彼はリーダーであり、キースのアニキのような存在だった。洗いざらいジルの事をキースはアランに話した。アランは大いに笑い、あってみたいと話した。キースはフライトの間を睡眠にあてることにしたのか、いつの間にか寝息をたてた。





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