蕾ほころぶこの季節に
プロローグ
桜の蕾がこぼれ落ちんばかりの
でも、少し寒い季節

揃いの服を脱ぎ去った彼は
私の知らない遠くへと行ってしまった

いつか、追いかけると心に決めながら
橋の上から見送るだけだった

今でも後悔している

たった一言を告げなかったことーー


蕾ほころぶこの季節に
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