matricaria
高校2年生

新しいクラス

新学期。

新しい教室。

新しいクラスメイト。

黒板に貼ってある座席表を確認すると、去年はなかった親友の名前があった。

「留花(るか)」

後ろから、聞き慣れた声がわたしを呼んだ。

「采音!」

振り向いたそこには、やっぱり采音がいた。

「ようやく同じクラスだね!」

「お昼以外で同じ教室に留花がいるの、なんか不思議・・・!」

今年から本当に、同じクラスなんだ。

昼休みだけじゃなくて、休み時間も移動教室も一緒なんだ。

大きな安心感と期待に、心が風船みたく膨らんでいくようだった。

「そうだ、水香ちゃんと冬目(ふゆめ)も同じクラスだよね」

冬目はわたしの遠い親戚。

同じ中学に通っていたけど、一度も同じクラスになったことがなかった。

親戚同士で集まることもなくて、冬目とは高校に入って初めて話した。

背が高くて大人っぽいけど、少しメルヘンな人。

すぐに水香ちゃんと冬目も教室に入ってきて、同じクラスになったご挨拶をした。

これからこのクラスで、どんなことがあるんだろう。



おまけ

「2年生は楽しくなりそうだなぁ♪」

「1年生は留花、空気だったもんね」

「うんうん、空気だった、エア・・・」
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