私の心は誰にも止められない。
Level 1


- あい -



4 月 10 日

今日から待ちに待った高校生 !
玉森高校の一年生。
新しい制服を身にまとって玄関をでる。
「いってきま~す!」
「いってらっしゃい」
ママが優しい笑顔で私を送ってくれた。
昨日とは違うように見えるいつもの道。
桜まで綺麗にみえる。

楽しみすぎて歩いていると二人の男の人が前から歩いてきた。
「ねえ、君。1人?」
「あ、はい!今日は入学式なんです!」
「めっちゃかわいいじゃん~。」
「入学式なんてサボってさ俺らと遊ぼうよ~!」
1人が肩に手を回してきた。



……… 気持ち悪い。

「嫌です。やめてください!」
「それは無理かな~。」
腕をがっしり掴まれた。
もう無理だ …

「 おい。 」
「あ?」
「そのこが嫌がってるのわかんね?」
「…別に嫌がってねえし。」

あ、やばい。
泣きそう……。

ポロ ポロ

「グスッ…グスッ…」
「やば、おい逃げようぜ。」
「あ?おう。」

行ってくれた。
でも涙止まんないや。

「おい?大丈夫?」
「あ、はい…。エーン … 」

ふわっ …

え?

「大丈夫だから。もうあいつらは行ったよ。」
抱き締めてくれた。
そしてその言葉で涙はでなくなった。

「ありがとうございます!もう大丈夫です!心配してくれてありがとうございました!」
あれ?ちょっと顔赤い…。
よくみたらこの男の子すごくかっこいい。
しかも同じ高校だ。

え?同じ高校だ!

「あのあの、玉森高校ですか?」
「うん。1年。」
「一緒ですね!よかったら一緒に行きませんか?」
「あ、うん。いいよ。」
「やったあ!!」
初日からお友達ができてよかった!
「てか、入学式もう、終わってるぜ?」
「え!嘘!」
「ほんと。」
「お前がグズグズないてるからだろうが。」

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