猫が好き!

「もう二度と、こっそりハッキングなんかしないでくださいよ」
「あら、ハッキングしてたのは私じゃなくてHALLCOよ」
「それを黙認して、なりすましてたのは誰ですか?」
「だって気になったのよ。この子が誰と何してるのか」


 瑞希の顔を見つめて一瞬絶句した後、技師は大きくため息をついた。


「とにかく、もう二度と警察沙汰になるような事は、やめてください」
「はいはい」


 技師が立ち去ると、瑞希は再び箱に話しかけた。


「善悪の分別がつくまで、あなたは外出禁止よ。シンヤくんにその気があるなら、囚われの姫君に会うため、いずれここまで登りつめてくるかもね。それまで、いい子にしてるのよ」


 瑞希が箱の上をツッと撫でて立ち去ると、傍らの画面に小さく「OK」の文字が表示された。

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