猫が好き!

 10.最後の希望



 ハルコのメッセージを見たシンヤは、真純の横で力が抜けたように膝をついた。
 背中を丸め項垂れて、消え入りそうな声でつぶやく。


「オレのせいだ。オレと間違えてダッシュに接触したからハルコは感染した。オレがもっと早くこのメッセージに気付いてたら、あいつの手に落ちる前に対処できたはずなのに」


 真純はシンヤの頭を抱き抱えて頬を寄せた。


「おまえのせいじゃないよ。ハルコはまだ死んでないし、あと二日あるでしょ? よく見て。このメッセージも私にはただのSOSにしか見えないけど、おまえには重要な手がかりになるんじゃないの?」


 シンヤはゆっくりと立ち上がり隣の椅子に座った。
 そしてメッセージをもう一度眺める。
 少しして落ち着いたのか、静かに息を吐いた。


「……ダッシュの作った厨二ウィルスの性質はわかった」
「厨二?」
「世界征服が目標だって言ってた。そんなの悪の帝王でも気取ってる厨二病だろ」

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