猫が好き!


 理屈は分かるが、真純に指示を与える人間までそれをやられると、その人が出社するまで真純はぼんやり待っていなければならない。

 瑞希が前日に指示を与えるように注意したが、それでも急ぎの出張や会議で前日いなかったりして、何度か朝のぼんやりタイムを味わうハメになった。

 リーダーたちがそんな状態なので、部下たちもそれに合わせて遅くやって来たりする。

 いくら前日に残業しても翌日遅く来たのでは、作業の進捗にはプラスにならない。
 真純と違い、彼らにはスケジュールがある。
 リーダーがいなくても、できる仕事はあるはずだ。

 瑞希も早めに帰るように言っているらしいが、あまり効果はないという。

 納期に間に合わなければ困るので残業するなとは言えないし、過労で倒れられても困るので朝早く来いと強くも言えないらしい。

 だが端から見ている真純には、大半はただのルーズにしか見えない。

 自分の仕事も滞るし、見ていて苛々するので、指示は瑞希から直接受ける事として、在宅勤務にしてもらった。

 真純も決して朝が得意なわけではない。
 在宅勤務で時間が自由に使えるとなると、生活リズムが乱れる事は容易に想像がつく。

< 36 / 354 >

この作品をシェア

pagetop