愛しい声
♪.おしゃべり会
♪.おしゃべり会

 *花音side*


 [それじゃあまたあとで(^o^)]


 ひなのからのメールを確認し、携帯の画面を消す。

 カーテンからは太陽の日差しが差し込む。
 ぽかぽかな休日。

 これから近くのファミレスでひなのと
 勉強会をすることに。
 っていっても、女の子の勉強会の
 ほとんどはおしゃべり♪

 ちゃんとおわるかな…?



     *



 外は少し風が冷たい。
 トップスはボーダーのニット、ボトムスはスカートに
 タイツ、茶色のパンプス。

 ちょっと薄着だったかな…?
 まっ、雪ふらないよね♪



     *




 家の最寄り駅から2、3駅でファミレスに着いた。


 「 いらっしゃいませー 」


 店内を見渡す。


 「 花音! こっちこっち 」


 テーブル席に座っているひなのが見えた。
 手招きをしている。


 「 ごめん! 待った? 」


 これ、お決まりの言葉になっちゃったな。
 いつも遅れちゃう…。


 「 全然。もう待つのなれたっ♪ 」


 いじわるそうに笑うひなの。
 ごめん。と謝りながら向かいの席に座る。

 
 「 花音も何か頼んだら ? 」


 ひなのがカバンから出した参考書の上に
 メニュー表をのせる。



     *



 「 うーん… 」


 メニューとにらめっこして5分。


 「 まだ決まんないのー? 」


 待ちくたびれたようにひなのが
 ほおづえをつく。

 そして迷いに迷った結果、ホットコーヒーを注文した。



 「 花音迷いすぎっ! 」
 「 だって、いちごホットオレもカフェラテもあったんだもん! 」


 店員さんからわたされたホットコーヒーのカップを
 両手で持つ。
 じんわり温かさが手にひろがった。


 「 私なんてぱっと決まっちゃうよ~! 」


 いひっと笑ってひなのは注文したココアをすすった。




     *



 参考書を開いて、1時間。
 予想通り、ノートは真っ白♪

 おしゃべりは、学校のこととかドラマとかで
 話題がたえなかった。

 そして、定番の恋ばな。


 「 花音は好きな人いる~? 」


 前かがみになりながら聞いてくるひなの。
 もう高1なのに、恋がまったくわからない私…。

 というより、あのドキッとかキュンッとか
 経験したことがない…。


 「 私にそんな人いると思う~? 」


 いつもこんな風に面白おかしく返事をする。


 「 いないと思う~! あははっ♪ 」


 からかうようにひなのが笑う。
 これがいつものこと。


 「 ひなのはー? 」


 でも、1つだけちがった。


 「 実は…、いちゃったり// 」


 ひなのが恋をしてること!


 「 えええええええ!! 」


 思わず声をあげてしまった。
 ひなのも恋してなかったから安心してたのにぃ!


 「 いちゃ悪いか! 」


 私の額をでこぴんするひなの。


 「 ごめんごめん。ついっ♪ 」


 えへへと舌を出す。
 ひなの~おいてかないで~ (´・ω・`)



     *




 [ また来週もおしゃべり会しようね♪ ]


 ひなのからのメール。
 でも、その会は一生ないかもしれないなんて
 今の私は気づいてもなかった。



 その日は結局宿題はおわらず…。
 徹夜するはめになった。


 ちらちらとまっている
 雪にも気づかずに。
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