最近なじみました。

1つ屋根の下に、





―――やっと帰ってきた。


やっぱり家は落ち着く。



なぜなら、周りを心配する必要はないからだ。


まぁ元はと言えばコイツのせいで―――




「ばかっ、竜騎のばか!」


我が物顔でソファーに寝転がり、早くも我が家に馴染んでいる奴を睨み付けながら言う。


「ばかばかうるせえんだよ。バカ千鶴」


「あたしはバカじゃないもん。もう、同級生に見付かってたらどうするの?」


「もし見付かってたら、見付かったもんはしょうがねえよ」


「他人事だと思って…。それに、竜騎だって見付かってたらマズイでしょ?」


「別にー」


こちらを見ずにポテチを食べ始めた竜騎に苛立ちがつのる。



「なによ。一応有名人のくせに」


ちょっと嫌味っぽく言ってしまった。


本当にあたしってあたしは可愛い気がない。


真顔でこちらに振り返った竜騎を見て少し後悔した。


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