思春期の恋
普通?



そっちこそ、子供扱いしてんじゃん。

おんぶなんて・・・



でもやっぱ足、超痛い。。。

びっこひいて家まで帰るよりも、

確かに助かるかも。。。






恥ずかしいけど。




「ほら、早くしろって」




また背中をむけられて、


しかたなく私はリュックを背負って、

柊司の背中に手をついて立ち上がり、

後ろから覆いかぶさって柊司の両肩を持った。



「立ち上がれる?」


「バカにすんな」


私の膝の後ろに柊司は腕を回して、

ヒョイッと立ち上がった。



「う、うわっっ‼」




一気に立ち上がったから、少し怖くなって、

柊司の首元にしがみついた。



・・・お、おんぶこえぇぇぇー‼



「ちょっ‼怖いんだけど‼」



「ちゃんと家まで届けてやるから、

安心してしがみついとけ」




・・・きゅん




あれ、何でしょうかこの【きゅん】



とりあえず言われた通り、ぎゅっとしがみついた。


「歩くぞ」




「お願い・・・します・・・」






人の背中ってこんなに不安定で怖いものなの?


よく赤ちゃん爆睡できんな。

ありえねぇ。









「ちょっ・・・耳に息かけんなよ・・・」





ふがっ!



お言葉に甘えてぎゅっとしがみついていたら、

いつのまにか柊司の首元に頬を寄せている状態になっていて、

ふがふがと鼻息を柊司の耳穴に吹き込み続けていた。


やばっ。



恥ずかしくなって、顔を背けた。



「ごめん・・・決して興奮していたわけではなくて」


「んなこと思うわけないだろ」



・・・ならよかった。













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