ハツ彼 は、ハーフな年下さん。(完)
「アンタが、森なのは?」



海の借りている新築のアパートの前だ。


海は、仕事場に

同僚の熊野早苗さんに

渡す資料取りに行っている。


「はい。」


「坂本さんの方が、


ずっとお似合いだわね。

早く、別れてくんない?


私、坂本さんだったから海君を諦めたのに!


デブスのあんたに海君は、


相応しくないわ!

坂本さん…最近、元気ないんだから!!


話を聞いたら、アンタが原因だったのよ。
別れてよ!」



マシンガンのように、私に言葉を投げつけた。


「無理です!」


思わず言ってしまった。無意識ですよ…奥さん!


「ふざけんな!


私や坂本さんは、

一年前からずっと前から好きだったんだから!


ポッとでのデブスなんかに


横取りされてたまるか!!」



彼女や坂本さんには


色々とあって海君に、


惹かれたんだと思う。熊野さんは、諦めて坂本さんを応援しているんだ。


そりゃ、悔しいだろう。


無念だろう。


でも、恋愛はお互いが思い思われるって事じゃないだろうか。

片思いも、恋なんだろうけどさ。

「熊野さん。

私達は、まだ付き合ってません。

初めて告白された時は、ふざけてると思った。


でも!!

毎日、海君に会って…


海君の色んな事を知って

もっと…海君に近づきたい。

側に居たいって!!


今日、更に思った。


海君の事好きなんだなって!!


だから、無理です。」




何故か、涙がポロポロ出て来た。



そんな時、



「そんな訳だから、

熊野さんや坂本さんの気持ちには

答えられません。

好きになってくれて


ありがとうございます。」




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