両親は私達姉妹が生まれてくる前から、子供の名前には「風」と「雨」を入れようと決めていたらしい。


私は、雨が良かった。


乾いた心を癒してくれる、そんな雨に。


心を干からびさせる風なんか…嫌いだ。



朝比奈 雨海。
あさひな――「うみ」と読む。


私はお姉ちゃんを尊敬していた。

心から慕っていた。


いつだってお姉ちゃんは、私の憧れでしかなかった。

私の前を歩くもの。

決して、横を歩くことはない。


並ばないんだ。

…並べないんだ。


私とお姉ちゃんは、同等じゃない。


お姉ちゃんは、私の持ってないない物を持ってる。


けれど、お姉ちゃんにはきっと…心の余裕がなかったんだ。