Who am l?
編入校
時刻は――10時。
俺は腕にはめられたお高い時計を見た。
唯一の母のかたみだった。
母には似合わない、ドクロやチェーンで飾られた時計。
巨大なアーチをくぐると、そこは立川とは思えないくらい賑わっていた。
それもそうか…
学園祭だし。
「ねぇねぇ、あの人カッコよくない!?」
どこからか、そんな声が聞こえる。
「声かけてみる?」
俺は声をかけられるのだけは勘弁だ。
少しだけ足の速度を早め、校舎の中に入る。
だから嫌なんだ。
女と言うのは………。