Who am l?
数回叫んだのち、神崎がのろりと顔をお年頃の女子高生の首筋から上げる。
まるでスローモーションの映像を見ているようだ。
神崎はゆっくりと顔をあげ、私を見ると、体を起こした。
「…あ、わり。」
心のこもっていない謝り方にいつもなら怒る所だが、神崎の真っ赤な顔を見ていると、今回ばかりは見逃してやろう、と思えてくる。
「重い~。自分のベッドに寝なさいよ~」
私は神崎の手を振りほどいて上体を起こそうとした。
だが………
……びくとも、しない。
「…え?…ちょ、神崎。」
私はおそるおそる顔をあげて、神崎を見る。
神崎の顔は赤いものの、表情はいつになく真剣だった。
そして―――…
私は沈黙に落ちた。
いや、詳しくいえば、黙ってしまったのは驚いたからだ。
目の前には……