君と、世界の果てで
崇文は、わけがわからないという顔をした。
「警察につき出す。こいつ、深音をつけてたストーカーだ」
「はぁ!?マジで!?」
「マジだ」
「じゃあ、何で……
深音自身が、警察に言わないのかな……」
そうだ。
元メンバーなら、名前や住所がわかるはずだ。
だけど深音は、警察に言わない。
「……」
「……何で?」
「……事を荒立てたくないのかもな……。
悪い。知らないフリをしてくれ」
マジでぇ?と、知らないフリが一番苦手な男が頭を抱えた。
ストーカーの名前は、智(さとし)。
住所は、紗江の家の近くだった。