君と、世界の果てで


大丈夫、といったわりに、母親の顔には、いつもの優しさがなかった。



代わりに、疲れと不安が貼りついている。



念のためって。



だから、何の検査なんだ。



そんな言葉を飲み込んだ。



薄暗いロビーが、ますます不安を煽る気がする。



結局、夫婦の好意は辞退し、この夜はタクシーで、実家に帰った。



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