君と、世界の果てで
(2)イタズラ
ワンマンライブが決まった途端、俺達は忙しくなった。
崇文は得意のパソコンで、チラシを作った。
しかも今回の騒動を逆手に取ろうとしたのか、
『WORLDS END ワンマンライブ
~ヤケドしても知らねぇぜ~』
なんてサブタイトルを勝手につけやがった。
もちろん全員に却下されて、作りなおして……。
メンバー全員すまし顔の、なかなか恥ずかしい写真を使う事になった。
深音は、ママにあげると言って、嬉しそうに笑っていた。
なんとか曲順や演出も決まり、その間に俺と渚は大学の卒業式なんかもあって。
家では、衣装を縫う深音のミシンの音が深夜までしていて。
あっという間に、ライブまであと1週間になってしまった。
もう、そこに春が来ていた事にも気づかないまま。