君と、世界の果てで
(2)花吹雪
『さっきは、ありがとう。
また会えると思ってなかった。
本当に嬉しかったよ。
スーツ、格好良かったぁ。
怒られたでしょ?ごめんねー。
そういえば、煙草復活しちゃったんだね?
キスした時、ドキドキしたけど、苦かったもん。
ダメだよー、声、出なくなっちゃうよー』
昼休みを大幅に過ぎて戻った俺は、上司に1時間説教されて。
しかも甘い香りをしっかりスーツにつけてしまったものだから、余計に嫌みを言われた。
社長の息子だからって、皆のやる気を削ぐような事をしてもらっちゃ、困るよ。
最低限の常識は守ってもらわないと。
そんな当たり前の事を、何回も言われてしまった。
結果、残業を押し付けられ、やっと会社を出た頃に、こんなメールが来ていたのに気づき。
ぐちゃぐちゃだった心が、ほわりとなごむのを感じた。
メールはまだ、続いている。