君と、世界の果てで


そういえば……。



陸に言われたんだった。



万が一の事があったら、深音をよろしく、と。



よろしくって……どうすりゃいいんだ。



なあ、陸。



教えてくれよ。



何で、あんな美しい歌姫がそばにいたのに、自らこの世を去ったんだ?



何で、



何で……





もう二度と会えない、弟の綺麗な死に顔を思い出すと。



空と同じような雨垂れが、



次々に頬に落ちた。



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