一万回目のプロポーズ
すべての始まり
保育園のお昼寝の時間。

隣の瞬ちゃんからの言葉で私は初めてのちゅーをした。

「ちゅーしてくれなきゃ殴るぞ。」

「な・・殴らないで?」

私は涙目になって言った。

「じゃぁちゅーして。」

私は布団から少し体を伸ばしてほっぺに

ちゅ

っとした。

「もう一回・・・。」

瞬ちゃんがそう言いかけたところで先生が瞬ちゃんの布団を持って教室の隅に移動させた。

瞬ちゃんはしょうがなくお昼寝をした。

そしてお昼寝の時間が終わり私はお砂場で遊んでいた。

「ねぇねぇ琴ちゃん琴ちゃん。」

「なぁに?瞬ちゃん。」

私は振り返った。

「ちょっとこっち来て。」

そう言って瞬ちゃんは私のスモックの袖を引っ張った。

保育園の門を出て小さな野原まで来た。

「こんなところまで来たら先生に怒られちゃうよっ」

私は言った。

「ねぇ、さっきの続き、、僕のほっぺにちゅーして」

瞬ちゃんはせがんた。

「・・・じゃぁ、一万回『結婚しよ』って言ってくれたらチューしてあげる。」

「ほんと?」

「うん。だから今はこれで最後ね」

私はそう言ってゆっちゃんのほっぺに

ちゅ

っとした。
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