オオカミ系幼なじみと同居中。

・好きなキモチ


要の笑顔―――


こんなまじかで見たのは初めてかもしれない。



顔をくしゃくしゃにして笑う要。
笑うと子供みたいになるんだ。

すごく優しそうな要の顔。
目尻に出来る笑いジワが胸をギュッと掴む。



そして――


要はあたしの髪に触れた。
すごく久しぶりな感じがした。

胸がどんどん締め付けられる。




トクン……




やばい。

なんか、泣いちゃいそう。


その気持ちを悟られないように、あたしは要の顔から視線を落とした。



「そろそろ授業始まるぞ?お前、こんなとこでさぼってんなよ」


「……か……要こそっ」



あたしは精一杯強く言う。



「俺はいいの」



そう言って、また要は笑った。



ダメだ……



「…………っ…」


「……未央?」



せっかく堪えていた涙が堰を切ったように溢れだした。

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