『とにかく、また中に入ってよ』


「うん…」


さっき泣いていたのはなんで?


そう聞きたいのに言葉が出ない。


聞いてはいけないような気がしたからと思う。



あれから佑は私が記憶喪失した原因を簡単に説明してくれた。


私は佑の家付近の道で、事故にあったらしい。


それを助けたのが佑だという。


幸いケガは簡単な処置で済んだのだが、私は意識がもうろうとしていたらしい。


そこで佑は自分の家に連れていき、私を休ませていた、という訳らしい。


「そうだったんだ…ありがとう」


佑は黙って首を振った。


『いや、俺は何も…。栞に勘違いさせちゃったし』


あ…『帰っちゃいけない』って言ってたことかな…。


あれは多分…私の事心配して言ってくれたんだよね…。