二手合わせ

2、怪奇




そして、マキと通話が繋がった2日後。

変化は起きた。


朝食を食べ終えた私に、永倉さんは言った。


「お前に、外出許可が出た」

「……え」


良いのだろうか。
外に出て。


「本当、ですか?」


確認するように問うと
永倉さんは「ああ」と言った。


「だ、だったら私、行きたい所があるんです!!」

「…何処だ?」

「私が、永倉さんに会ったときの桜がある場所です!」

「そうか、分かった。山崎を呼んでくるから、山崎から服を借りて、着替えろ」

「は…はい」


私が了承すると、永倉さんは部屋から出ていった。

話がトントン拍子に進んでる………けど、なんでいきなり。


でも、これでアカネに会える。

本当に帰れるのか、確認出来る。


そしたら―――希望を失わずにすむかもしれない。







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