たぶん恋、きっと愛

出“逢”い





ざああああぁぁぁぁ。



風に、強く水滴が混じる。

朝から吹いていた強い風は、午後になって降りだした雨と共に、ますます荒れていて。

少女を後悔させていた。



二週間目。

いつもの場所、いつもの時間。


バスケットリングの大きく揺れる、倉庫の、壁。


今夜から台風だ、と。
クラスメイトは言っていたかも知れない。



雨の日は来ない、のかな、などと、まだのんきに考えていた少女は。

横殴りに吹き付けた雨の粒と、強く吹いた風に、必死に傘を押さえつけた。



 
< 8 / 843 >

この作品をシェア

pagetop