野獣の飼い主
野獣と私2

発覚

獅子島に連れられて帰った次の日。

私が教室に入った瞬間、音がなくなった。

誰とも挨拶をかわすことなく席に着けば、ひそひそとあちこちで喋りだす。

大方私と獅子島の関係についてだろう。

「あの~海野さん?」

「はい?」

「昨日、大丈夫だった?」

「何が?」

「獅子島君と一緒で大丈夫だった?」

「もちろん大丈夫だったよ」

「そ、うなんだ。…聞いても良い?獅子島君と知り合いなの?」

「中学が一緒だったの。三年間一緒のクラスで」

当たり障りのない範囲で答えた。

目の前にいるクラスメイトとはあまり仲良くない。

というか、仲が良いクラスメイトがいない。
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