野獣の飼い主
予想通り気持ち良い。

私が迷うことなく中央の大木に向かって歩き出すと、佐々木君も着いてきた。

気にしない、気にしない。

よりかかり、目をつむる。

「寝るの?」

「寝ないよ」

「ふ~ん」

説得力ないだろうな。

でも、この現実と夢の狭間を行き交うのが気持ち良い。


♪~♪~♪

「ん、何?」

あれ?寝てた?私。

いつの間にか隣に佐々木君が座っていた。

私の頭が佐々木君の肩に乗っている。

この体勢はヤバくない?

「獅子島さん、今日は来ないと思うけど」

小声は私には気を使ってかな。

もう起きよう。

悪いし…内容が物騒になってきたし。

「はぁ?M高の奴らが探してた?ほっとけほっとけ」

あ、メールがきてる…誰だろう?

「獅子島さんには俺から伝えておくから何もするなよ」
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