In the warm rain【Brack☆Jack3】

【4】

【4】



 アパートに戻ったレンは、とりあえずミサトの作った料理の餌食にならなかったことにほっとして、冷蔵庫から缶ビールを取り出した。

 それを軽く五本ほど呑み終えて、さらに手持ち無沙汰なので、トレーニングを始める。

 ようやく汗をかいてきた時に、玄関のドアが開いた。


「よぉ、楽しかったか?」


 腹筋を止めずに、レンは帰ってきたエイジにそう声をかけた。


「ったくテメェはよ、よくそんな疲れることわざわざやるよな」


 ネクタイを緩め、ソファに腰を掛けてタバコを取り出しながら、エイジは言った。


「時間潰しだ」


 起き上がり、レンはもう一本、ビールを取り出す。


「やけに遅かったじゃねェか」

「まァな」


 スーツの上着を脱ぎながら言うエイジに、レンは訝しげな視線を投げ掛けた。
< 24 / 221 >

この作品をシェア

pagetop