らぶ・みー 
Chapter 7 棘

chap.7  棘



今日はパン教室でベイクドチーズケーキを焼いている。

ミックスベリーのジャムを混ぜた、ほんのりピンク色のチーズケーキ。

彼はチーズケーキが好きだと言っていたから、喜んでくれるかな?

甘い匂いに包まれながら、彼のことを思っていると、それだけで幸せな気持ちになってくる。



郵便局に行くと、彼は先に来て待っていた。

驚かそうと思ってそっと近づいたら、私が声を出す前に、彼がこっちを向いた。



「やっぱ、雪乃だ。」

「え?」

「なんか、今日、すっげーイイ匂いする。匂いでわかった。」

「わかる?今日はチーズケーキだから匂い強いのかな?」

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