ノータイトルストーリー

Case:恵美_phase01





恵美〔えみ〕…



それが私の名前…




私の名前は両親が母の一文字を取って、




美しく恵まれた子にな~んてありがちな感じの理由で、




付けられた、そうです…




小さい頃、小学校で自分の名前の由来を親に聞いてくるなんて




宿題があったのですが…




聞くも何もそのまんま過ぎて拍子抜けしちゃいました。





小さい頃から体が弱くてそのせいか、





全然、恵まれてないなぁ、なんて思うこともありました。





私には、両親と兄が二人います。





一番上の兄とは九つも年が離れているので、





あんまり遊んだ記憶がありません。





きっと…覚えてないだけかもしれませんね。





基兄さんとは、4つ違いで少し離れてはいだけど、





小学校には一緒に行ったり、





後をついては意地悪されて、泣いて帰ることも結構ありました。





基兄さんは、小さい頃から悪戯ばっかりして叱れてました。





先生に「お前は、あれの妹か?」なんて言われることも…





一体何をしでかしたのやら…





父の転勤に伴って私達も転校を繰り返していたら…





ある日私気付いたんです!





一番上の兄は福岡県で生まれて、





二番目は神奈川県。





私はというと宮城県で生まれていて…





兄妹三人出身地がみんなバラバラだってことに、





だから、喋る言葉も微妙に混ざってしまって、





どこへいっても…





「恵美って不思議な言葉で喋るよね?」とか言われます。





まぁそんなときは…





「私、こう見えてトリリンガルなのよ?」




な~んて言って立ち向かいますが…





でも「頭に国産ってタグついてるよ」





なんて言われちゃ歯が立ちませんけどね。





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