ノータイトルストーリー

Case:晴彦_phase01

人間には…




『食欲』




『性欲』




『睡眠欲』を始めとする欲望が存在する。





人間は『欲望』がなれけば、生きていけない。





成長出来ないという人もいる、





しかしながら『欲望』を叶えてもらい続けた、





『俺』は成長したのだろうか、





また生きていると言えるのだろうか?





『俺』は小さな頃から欲したモノは





必ずと言って良いほど手に入れてきた。





むしろ、与えられてきた。





体は大きくなったが、





頭の中身はそこから変わっていない、





未だにあの『僕』のままだ…






年を追う毎に欲望は、叶えにくくなり、苛ついた。






「なんで、『僕』の欲した通りにならないのだ…?」






そのために、晴彦という人間の中にいる





『僕』は嘘と暴力と盗みを覚え、





今の『俺』になっていった。





両親の財布から金を盗む。





お金があれば、好きなモノが買える。





オモチャやゲーム、友達、恋人でさえも…






従わないモノは暴力で屈服させれば良い、





黙らせてしまえばいいのだ。





それでもダメなら神妙に涙を見せてやれば良い。





恋人も友達も弟や妹や両親であってもだ。






まぁ、そんな事をするより、





まずは嘘をつき、騙し、出し抜けばいいのだ。





疑われたら知らないフリをすればいい、





涙を流してみせればいい。簡単な話だ。





欲望にドップリと浸かり、麻痺し狂ってしまった。






狂わせてしまった…





そんなことに気が付くのはまだまだ先の日であった。





今さえ、俺さえ良ければ他のモノはどうだって良かったのだ。





欲望に麻痺した『俺』と『僕』は、





進んではならない方向へと歩き始めていった…







< 9 / 33 >

この作品をシェア

pagetop