愛するが故に・・・
私は、どこに行っても大丈夫なように、大人ワンピースをセレクトした。

急いで化粧をして、やはり玄関を出たのは私が言った30分後の事だった。
私的にはすっごく急いだ結果だ。


「言った通りの時間だな…
女を待ったのは初めてだ。まあいい」


なんて横暴な人なんだろう…

私は、思ってもそんなことも言えず、黙って車に乗り込んだ。


車は少し走ると、周りが静かな場所で停車した。


「降りろ…」

和真さんはそういうと、私はうなずき車から降りた。

降りた先に見えたのは、テレビドラマに出てくるような政治家とかが使うような

料亭だった。

私は、びっくりして声も出ない…

前に父と食事をした時もこんな感じのお店だったけど。


私の腰を抱き寄せて和真さんは店に入って行った。

個室に入ると、すでに下準備はできていて、


「理香…飯まだだろ。
今日は京懐石にしておいた。お前が好きそうだからな」


和真さんはなんでもお見通しといわんばかりの顔をして微笑んでいた。

もちろん、私はこんなお店に来たことは一回しかないけど、

この前食べたときがとってもおいしかったから…ちょっと嬉しい。
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