和真さんは本当に私を乗せるのが上手だと思う。

『うん。和真さんがずっとそばにいてくれたら・・・ずっと笑っていられる気がする。』

気がつくと、素直に気持ちを伝えていた。

「今日はやけに素直だな・・・
 理香とずっとここにいてーけどな。これから事務所に行かなきゃなんね。
 お前に合わせてえ奴もいる。一緒に来い。」


和真さんはそういうと、となりの部屋に入り、数分後、スーツを着て出てきた。
その顔は先ほどの優しい笑顔を浮かべていた人とは全く異なる、仕事の顔だった。

『和真さん…私、こんな服しか持ってきてないけど…いいの?』


私が着ていたのは、ワンピース。
もともと、高価なものは買えるような暮らしではなかったので、それなりだ。

「ああ…問題ない。理香は何を着ても似合うからな…
 まあ…近いうちに買い物でも行くか…」


和真さんは先ほどのような優しい笑顔を見せてくれたけど、すぐに仕事の顔になった

私に合わせたい人って誰なんだろう??

私は疑問を持ちながら、和真さんとマンションを出て、玄関前に止まっている車に乗り込んだ。

「出せ」

和真さんの一言で車は走り出す。
どこへという言葉はなくてもこの運転手さんは分かっているのだろう…