これからは…

突然の帰宅

季節の割に日差しがまぶしい朝だった

窓から入る日差しの中、惰眠をむさぼる

莉彩と気のすむまでバットを振り、帰宅後程よい疲労感とともに

ベットインを果たした昨日

「んー」

ごろっと寝返りを打って布団を無意識に抱きかかえる

乱れた髪を優しい手がそっと避けてくれた、ような気がした

少しだけ浮上した意識の中、ふと鼻腔をくすぐるのは、懐かしい甘い香り

あー、海斗の特性ミルクティの香りだ

無意識に少し息を深めに吸い込む

相変わらずいい香りだ

この香りがすると思わず笑みが漏れてしまうのだ

夢の中ですら現実感たっぷりに香りがするって相当自分も海斗に調教されている

そう、夢、ならば

「…ん」

うっすらとあけた瞳に飛び込んでくるのは、誰もいない狭いベットの左側

その奥の白い壁

ああ、なんだやっぱり夢か

少しの寂しさを感じていると

「おはよう」

声とともに視界が暗くなる



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