僕のおじいちゃんはおばあちゃんだ
第1章

*プロローグ*




日当たりの良い縁側
庭の槐(えんじゅ)の木の枝で小鳥が囀る。



今日も、おじいちゃんは静かな縁側の日当たりいい廊下のほとりで1人静かに庭を眺めている。



僕のおじいちゃんのお気に入りの場所だ。



槐の木は、僕のおじいちゃんのお父さんが、おじいちゃんが産まれた時に植えた木。



なんでも
中国では高い官位に就くと庭に植える風習があり、高貴の木とされていた。
「延寿」は寿命を延ばすに通じる。

敬老や長寿祝いの記念樹に
宇美八幡に「子安の木」と呼ばれる神木があり安産の守り神に
庭に植えると幸福を呼ぶといわれる。


そんな縁側…


今は昔の様に賑わいもなく静かな時間が
おじいちゃんと共に
流れている。


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