強迫性狂愛
第2章

動き出す



ピ―――ッ!!


屋内施設によく響く笛の音。

あの赤眼鏡先生は、体育の先生だったんだ。
見た目からして国語の先生かと思ってた。
赤眼鏡先生が口にする笛の音を聞きながら百花は頬に手をついて、誰にも気付かれないようにため息を零していた。


高校生になってまで水泳の授業があるなんて…思いもしなかった。

前まで、通っていた高校は敷地の狭いところに建っていたから、体育館も狭くて、プールもない高校だったし。体動かすのは好きなんだけど…、水泳だけは苦手だった。


百花は、高校の施設とは思えないほど綺麗なプールが波打つのを見つめながら、次々とプールに入って課題をこなしていく生徒に続いていくことができないでいた。


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